トーチカ 文化庁メディア芸術祭15周年を記念し、日本人大賞受賞者等を集めた企画展 MEDIA GEIJUTSU を、2つのテーマ、「Flow」&「Bright」で展開する。
1997年にスタートしたこの芸術祭。世界中のメディアアーティスト達から作品が集まるアート部門は特に激戦を極め、日本人の大賞受賞者は限られている。今回は、そんなアート部門を中心に日本人大賞受賞者等にフォーカスし、アートとテクノロジーがダイナミックに融合した新しい表現による作品を展示。2つのテーマによる展覧会を通じて、日本人らしいテクノロジーの使い方と、新しい感性によって作り出された表現の数々をご紹介する。日本が誇る高い機能性を文化的な価値に転換し、新しいスタイルとして世界に提案していく日本の将来像が垣間みられるかもしれない。
左) 児玉幸子、竹野美奈子「突き出す、流れる」 2001年 右) plaplax 2012年2月22日(水)~3月4日(日)に開催される第15回文化庁メディア芸術祭受賞作品展の記事はこちら:
【展覧会概要】
■MEDIA GEIJUTSU[Flow]
会期:2012年1月25日(水)~2月7日(火)
コンセプト:
磁性流体や非線形構造をベースとして、アート表現におけるダイナミズムを追究する2人の女性メディア・アーティストが、新素材や独自のプログラミングを用いつつ、有機的かつ生物的なダイナミクスを表現する作品を紹介。
出展作品(予定):
児玉幸子「モルフォタワー」ほか、木本圭子「Imaginary Numbers」「多義の森」「dimension rendez-vous」
■MEDIA GEIJUTSU[Bright]
会期:2012年2月10日(金)~2月26日(日) ※2月20日(月)は休館
コンセプト:
相反するエレメントである光と影。これらが作品成立の契機となり、影あるいは光が様々なイメージを描き出し、見る者に対するインタラクションを引き起こす作品を紹介。
出展作品(予定):
近森基++久納鏡子(plaplax)「Tool s Life」ほか、クワクボリョウタ「いち、に、たくさん」(GYREバージョン)、トーチカ「Green Fairy」ほか
会場:EYE OF GYRE/GYRE 3F
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1
TEL:03-3498-6990
オープニングレセプション:2012年1月25日(水) 19時~21時
主催:GYRE
企画:CG-ARTS協会
空間構成:JTQ 谷川じゅんじ
協力:HiRAO INC
【アーティストプロフィール】
■児玉幸子
1970年生まれ。北海道大学理学部を卒業後、筑波大学芸術研究科修了、同大学芸術学研究科修了。博士(芸術学)。2000年より磁性流体のアートプロジェクトを開始。磁力によっ生き物のように形と質感が変容する「ダイナミックスカルプチャー」の技法を考案し、独特な照明効果で磁性流体を風景の一部のように見立てた作品群を発表。「突き出す、流れる」は、第5回文化庁メディア芸術祭デジタエルメス帽子コピールアート[インタラクティブ]部門大賞、第16回デジタルコンテンツディオール帽子コピーグランプリアート部門最優秀賞受賞。現在、電気通信大学准教授。 ■木本圭子
1958年生まれ、広島市出身。多摩美術大学デザイン科卒業。非線形構造をベースにしたオリジナルプログラムによる映像を制作。2003『Imaginary・Numbers』(工作舎)出版。2006年4月ミラノサローネ・レクサス館にて映像インスタレーション。2006年、第10回文化庁メディア芸術祭アート部門大賞受賞。現在、FIRST 合原最先端複雑数理モデルプロジェクト所属。
■近森基++久納鏡子(plaplax)
主にインタラクティブアート分野における作品制作を手がける。作品制作で培った技術やセンスを活かし、公共空間、商業スペースやイベント等での空間演出や装置・コンテンツ制作、プロダクトデザイン、大学と共同での技術開発など幅広く活動している。「KAGE」で第1回文化庁メディア芸術祭デジタルアート[インタラクティブ]部門大賞受賞。
■トーチカ
ナガタタケシとモンノカヅエによるクリエイティブユニット。デジタルカメラによる長時間露出とコマ撮りアニメーションの手法を融合し、空中にペンライトの光で絵を描くことでアニメーションを作るという画期的な作風「PiKAPiKA」を編み出す。2006年オタワ国際アニメーション映画祭特別賞受賞、第10回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞、そのほか国内外での作品発表・ワークショップ等多数。
■クワクボリョウタ
1971年栃木県生まれ。98年に明和電機との共作「ビットマン」を発表して以来、エレクトロニクスを使用したメディアアート作品を国内外で発表。アナログとデジタル、人間と機械、情報の送り手と受け手など、様々な境界線上で生じる関係性を、制作のテーマにしている。2007年、第7回文化庁メディア芸術祭アート部門大賞、第14回アート部門優秀賞受賞。